利用規約は作って終わりではありません。
一度作って掲載した利用規約も、変更しなければならない時があります。

次のような場合に利用規約を変更することが多いようです。

  • サービスをバージョンアップするとき
  • サービスの内容を変更するとき
  • 法改正に対応するとき

サービスをバージョンアップするとき

ほとんどのウェブサービスは、初回リリース時にすべての機能を用意するのではなく、初回リリース後も段階的に機能を追加しながらプロジェクトを進めていきます。

最もよくみられるケースは、最初に無料版としてリリースし、その後有料サービスを提供するといったものです。

それとは別に、最初は1種類のみのシンプルな料金設定にして、後から3種類の料金設定から選べるようにする、というバージョンアップもよく見られます。

そのバージョンアップが開発当初から予定されたものであれば、利用規約についても予めバージョンアップを見越した利用規約を作成することが望ましいです。

しかし、最初の利用規約作成時に想定していなかった変更については、その対応をする必要があります。

サービスの内容を変更するとき

ウェブサービスでは公開した後も様々な対応を行っていきます。

たとえば支払いルールを変更したり、サービスにルールを追加するとき、規約の変更が必要となる可能性があります。そのほか、一部のサービスを取りやめるときも利用規約の変更が必要となる可能性があります。

法改正に対応するとき

法律の変更によって、ルールが厳しくなり、それに合わせて利用規約を変更するといったことも多く起こります。

2020年4月より施行された新しい民法には、定型約款に関する条項が追加されました。
この法改正は、すでに運用しているウェブサービスの利用規約にいろいろな変更を求めました。

たとえば、「当社は利用規約を自由に変更できることができます。変更後の利用規約は、掲載後直ちにに効力を発します。」という利用規約を見たことがあると思います。
しかし、民法ではこのような自由な変更を認めていません。

利用者の許可なく自由に利用規約を変更することは、認められていない

民法の第五百四十八条の四には、利用規約を合意なく変更するときの条件があげられています。

第五百四十八条の四 定型約款準備者は、次に掲げる場合には、定型約款の変更をすることにより、変更後の定型約款の条項について合意があったものとみなし、個別に相手方と合意をすることなく契約の内容を変更することができる。
 定型約款の変更が、相手方の一般の利益に適合するとき。
 定型約款の変更が、契約をした目的に反せず、かつ、変更の必要性、変更後の内容の相当性、この条の規定により定型約款の変更をすることがある旨の定めの有無及びその内容その他の変更に係る事情に照らして合理的なものであるとき。

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089#Mp-At_548_4

この条件に合わない変更は、合意を得る必要があるのです。
サービス提供者は、利用規約についてどんな変更をしてもよいわけではありません。

この条項については以下の記事も参考にしてください。

将来、利用規約を変更をすることを想定した開発を行おう

ほとんどのサービスは、5年、10年と継続して運営することを想定しています。

利用規約の変更は手間がかかるので、なるべくなら避けたいところですが、経験的に言うと、そういった中長期の運用をしていると、その間にどうしても利用規約を変更する必要が生じます。

ところが、利用規約の変更については、抽象的な制限が設けられています。

変更することについて十分な猶予期間を設けて告知を行い、かつ、変更に同意できず解除をする利用者のために、違約金を設けないなどの経済的な利便を図ったとしても、その変更が必ずしも認められるわけではありません。

それであれば、あらかじめ利用規約を変更することを想定して、初期の開発を行っていただくことを提案します。
利用規約を変更するときに、改めて利用者から同意を得られる仕組みを、その最初の開発時に組み込んでおくのです。
そのような仕組みづくりをしているサービスはまれです。

このような仕組みを組み入れることは、そんなに難しいものではないですが、後から追加するとなると、少し大変です。
開発を委託する会社であれば、利用規約変更時に思ってもない修正費用が発生することになります。

開発前にお読みになっている方は、ぜひ参考にしていただければと思います。